桜雨を感じる頃に

時々思うことを書き散らしたり、書き留めるdiary

梅雨入りの読書

こちらの本を読んだ。

荻原規子さんの、「エチュード春一番 第一曲 小犬のプレリュード」。

荻原規子さんの作品は、中学生の頃から好きで、おもしろくて読みやすくて、この作家さんの新刊がでると本屋で一応チェックする。ファンタジーが多いんだけど、「空色勾玉」という作品が一番好きだった。「空色勾玉」とは古代の日本を舞台にした少女の冒険と恋の話(だと思ってる)。

今回の「エチュード春一番」は主人公の女の子が、大学生になったばかりで、現代の日本が舞台。神様という存在が具現してでてくるので、ファンタジー要素もあり。

荻原規子さんの本は本当におもしろくて、泳ぎのうまい人が水を泳ぐようにどんどん読んでしまう。

ネタバレの感想を書く。

 

 

全部読んで思ったのは、脇役の澤谷くんと有吉さんのキャラの掘り下げが薄いかなーということ。脇役といっても、重要人物の二人。大学生になって、主人公の美綾と再会したということで、高校生のときの二人はどんな感じだったのかとか、書かれていたらもっと二人に起こる出来事にインパクトがあったかなとか。続編で書かれるのかな。

幽霊騒動というのがメインだったけど、ネタばらしの前から薄々展開は読める。幽霊の演出はとても怖くて、ひきこまれるけど、どこかおかしいな…と思いつつ読み進める。

あと、美綾はどうしてこの女の子が主人公なんだろうと、物語の後半にはいっても思ってたけど、ラストの方にあった澤谷くんの台詞で落着。

この本は、シリーズものになるらしく、その一作目というか導入ということで、神様である犬と美綾の出会いの話と、美綾の主人公たる理由が描かれていたような気がした。神様である犬というのは美綾の元に転がり込んできて、共に暮らすようになる喋るパピヨンのことなんだけど、正体は神様ということで、美綾と会話するシーンが多々ある(見た目は犬なのに)。そのシーンも、神様の性格が冷めてるから、神様が美綾のいうことを相手にしないこともあって、その会話に対する熱のギャップもおもしろい。神様は犬の見た目をしているから、かわいいし。

続編がとっても気になる。7月に発売ということで絶対買う。とてもおもしろかった。

文句からはじまったような感想だったけど、キャラが深く描かれ過ぎても読むのに苦労したりするし、読みやすくてよかった。

美綾達の大学の様子も、なんかいいなぁ…と思った。

読後感がいいので好き。

 

本は幼い頃はたくさん読んでたけど、中学生の頃くらいから読むのが苦手になった。

でも久しぶりに、本を読んだら前と同じように読めて安心した。読みたくなるのはおもしろそうな本で、知識を深める本などは興味がなければ根性で読めるものでもない。

本屋に行くのは好きで、機会があれば立ち寄るのだけど、また楽しそうな本を探してみようと思った。

一番好きな本は、シャーロック・ホームズのシリーズだけど、ファンタジーも夢が感じられていいなと思う。

「本」の素敵なところを再確認した。